ビッグモーターの不祥事が大きく報道されるなかで「損保ジャパン」との癒着問題が浮上しました。
今回のビッグモーターの不祥事は水増し請求を損保ジャパンが黙認していたのではないかと言われているからです。
というのも、損保ジャパン側はビックモーターに出向者を送っていたという事実や、損保ジャパンが金融庁に虚偽の報告をしたいたことが分かり、「グルなのでは」と癒着が疑われ始めました。
その事実を分析するのに「ビッグモーター不祥事がなぜ発覚したか」が大きな手掛かりになりそうです。
今回は、ビッグモーターの不祥事発覚の理由や損保ジャパンとの癒着関係について詳しくお伝えしていきます。
●この記事で分かること
・ビッグモーターと損保ジャパンが癒着確実
・ビッグモーターの不祥事が発覚した理由
・ビッグモーターと損保ジャパンのこれまでの関係
【9月最新】金融庁がビッグモーター&損保ジャパンへ立ち入り検査
金融庁の異例の立ち入り検査
2023年9月3日に、金融庁が「ビッグモーターと損保ジャパンに立ち入り検査」を実施することを決定しました。

保険会社と事業会社に同時検査は極めて異例です!
金融庁は近く損害保険ジャパンと中古車販売大手ビッグモーターに対して、立ち入り検査に踏み切る方針を固めた。事故車修理費用(保険金)の不正請求をめぐって、保険会社と事業会社の双方に同時に立ち入るという極めて異例の態勢で検査に臨む。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/4640bf18de01e464f0b297c5b788866a52d7dacd
まだ日程は明らかになっていませんが、金融庁の検査により「ビッグモーターと損保ジャパンの癒着問題」が明らかになります。


2023年8月末には、損保ジャパンの白川儀一社長が「不正を知りながら取引を促した」という報道もありました。
2022年7月に白川儀一が取引促した!?
2023年8月29日に、損保ジャパンの白川儀一社長が「2022年7月に不正を認識しながらも取引を促した」という報道がありました。
損保ジャパンの役員会議で、白川氏はビッグモーターで不正が行われていたとの認識を示していた。役員からは、追加調査を実施する必要性を指摘する意見が出たが、取引が減ることを恐れて早期の再開を求める発言もあった。ビッグモーターが調査を継続することを前提に、白川氏も取引の再開を促す発言をしたという。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/cacb4bfa4a19139af4c6310bc3048bc5e0044592



これは「癒着」の可能性が疑われる発言ですね。


しかし、2023年7月には「ビッグモーターとの契約解除」を行っており、「癒着はない」との意思表明かと思われていました。
【7月最新】損保ジャパンがビッグモーターと契約解除→損害賠償請求へ
契約解除は「癒着なかった」の意思表明!?
損保ジャパンがビッグモーターとの契約解除を発表し、今後損害賠償請求を行っていくという意向を示しました。


社会全体に大きな影響を与える事件であると極めて厳粛に受け止めている。お客様の保護を最優先に、必要な手続きを進める



損保ジャパン側の「ビッグモーターとは癒着はなかった」という意思表示なのでしょうか…
損保ジャパンの今後の対応
損保ジャパンは、今後の対応として「出向者の不正の関与」や「取引再開が適切だったか」を調査していくとのことです。
今後、出向者による不正への関与の有無や、取引の再開が適切だったかなど、社外の調査委員会を設置して調べる。自車の修理で不正があったかなど、顧客からの問い合わせを受け付ける部署(0120・018・863)も8月1日に開設する
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/f06c9bc666341ceadf867f43162c0069f9da1775
ビッグモーターと損保ジャパンの癒着が大きく疑われた「損保ジャパンの金融庁虚偽報告」は何だったのでしょうか…?(詳細は、「ビッグモーターと損保ジャパンが癒着の可能性大に!」の章でお伝えしています。)



今後の調査で明らかになるといいですね…


次では、これまでの「損保ジャパンとビッグモーターの癒着と思われる経緯」について説明します。
【なぜバレた?】ビッグモーターと損保ジャパンの癒着の崩壊?
バレたのは損保3社による保険金返還
ビッグモーターの不祥事が大きく話題になったのは2023年7月14日です。
損保3社と言われる、「損害保険ジャパン」「東京海上日動火災保険」「三井住友海上火災保険」が「保険金の返還」を求めたことがきっかけでした。


2021年も損保3社が水増し請求について調査を求めましたが、調査は頓挫しています。
調査が頓挫したため大々的なニュースになることはありませんでしたが、今回は「保険金返還」を損保3社が求めたため大々的なニュースへと発展しました。



「なぜ発覚したのか」は、保険会社が不正について世間に働きかけたことが理由です。
なぜ2021年不祥事発覚の際は頓挫した?
ここで疑問に思うのは、「なぜ2021年のビッグモーター水増し請求発覚の時は頓挫したのか」という点です。
2021年に水増し請求が発覚したのは、内部告発によるものでした。
損保の業界団体に「上長の指示で過剰な自動車の修理をし、その費用を保険会社に請求している」という旨の内部通報があったことがきっかけだ。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/614505
この後、調査により悪質な水増し請求の実態が発覚します。
そのため、ビッグモーターに対して自主調査を依頼しましたが、2つのことが原因で調査が頓挫しました。
・ビッグモーター兼重宏行社長が組織的関与を否定
・損保ジャパンの早期の幕引き



損保ジャパンはなぜ追求しなったのでしょうか…?
損保ジャパンの早期幕引き「癒着」が関係?
ビッグモーター水増し請求の調査の頓挫の理由の「損保ジャパンの早期の幕引き」には違和感がありますよね。


損保ジャパンはビッグモーター側の「関与していない」という言葉を鵜呑みにし、調査の幕引きをしました。
判断を行った理由について、損保ジャパンは東洋経済の取材に対し、「組織的な不正の指示がなかったことを確認できたため」「(事務の)仕組みや作業員などの技術力不足が当該事象の真因であることから、全国的に同様の事象が発生しているとの認識のもと、会社として全社的な再発防止策を速やかに実施していることが確認できたため」と説明している。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/614505?page=2



あっけない終わり方ですね…
「東京海上日動火災保険」「三井住友海上火災保険」の2社は引き続き調査の必要性を訴えたものの実現には至りませんでした。
一方で、東京海上と三井住友海上の2社はどうなのか。ビッグモーターの関係者によると、2社は追加調査の必要性をビッグモーター側に訴えているという。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/614505?page=2
2社の訴えだけでは調査続行にはならなかったというわけです。



訴えたのにも関わらず、幕引きが早い損保ジャパン…
両者の「癒着」を疑ってしまいます。
そんなビッグモーターと損保ジャパンの関係が2023年7月の「保険金返還」によって崩れる構図になりました。



もしかして今までの「癒着関係」が崩壊したのでしょうか?
実際、今までビッグモーターと損保ジャパンはどのような関係だったのか癒着の可能性について、詳しく説明していきます!
【癒着!?】ビッグモーターと損保ジャパンの今までの関係
保険料増やすため不正黙認か
ビッグモーター不正請求の問題と同時に「ビッグモーターと損保ジャパンの癒着」問題に世間が注目しています。
なぜ「癒着」の問題が上がるかというと、水増し請求によって「損保会社と契約する保険料が増える」という構図が成り立つからです。
顧客の車をわざと傷つけ保険金を水増し請求 → 保険会社の支払い増える → (利用者の)保険料の値上がり
要は、「保険を使用して車を修理→等級がダウン」することで「保険料が高くなり→損保ジャパンに入る保険料が増える」というわけです。





ただただ、利用者には不利…
ビッグモーターと保険会社が儲かる構図なわけです。
ビッグモーターが不正請求することで、保険会社に利益が入る仕組みになっているわけですね。
損保ジャパンは、ビッグモーターの営業ノルマを黙認し、損保他社が追及している不正疑惑に目をつぶるような形で、結果として自賠責の契約増という利益を享受していたことになる。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/686623?page=3
この「利益が入る仕組み」であれば、ビッグモーターと損保ジャパンが癒着することは大いにありうるというわけです。



被害にあった保険者の対応はしっかりと取られているようでよかったです。
出向でビッグモーター内情を知っていた
損保ジャパンが「ビッグモーター不正の内情を知らなった…」というのであれば、癒着の可能性も低くなるですが、「内情を知らなった」と言えない状況であることが分かりました。
というのも、損保ジャパンはビックモーターに5人の出向者を出していたことが判明したからです。


しかも、出向したメンバーは会議に同席したりスタッフとやり取りをしたりと「不正を間近に見ていた」可能性が高いようです。
損保ジャパンは板金部門に5人の出向者を送り込み、工場長が集まる会議に同席したり、教育係として工場スタッフと日々やり取りしたりするなかで、営業ノルマが及ぼす影響を「間近で確実に見ていた」(大手損保幹部)からだ。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/686623?page=2



となれば、癒着していた可能性も高まりますね…
しかしながら、損保ジャパンは内情を知らなかったと状況を説明しています。
「目標推進は担当業務外であったことから、目標の存在自体に違和感を抱き、その適切性や運営実態などの詳細を把握して是正するところまで至らなかった」。損保ジャパンはそう説明している。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/686623?page=2
いろいろと疑問は残りますね…他の観点からも見ていきましょう。
損保ジャパン業績からも癒着の可能性
損保ジャパンの業績も見ていきます。
損保ジャパンの収入の多くは「自動車保険」が50%を占めています。そして、「自動車損害賠償責任保険」が3番目の11.1%です。





損保ジャパンの収入保険料は自動車保険がほとんどを占めていますね。
そして、保険料収入の推移はこちらです。


偶然なのかは分かりませんが、不祥事が発覚した2021年の損保ジャパンの保険料収入が他の年に比べて推移が高くなっています。



世間が「癒着」を疑うのも仕方ない状況ですね。
ビッグモーター内部の不正問題だけでなく、「損保会社との癒着はなかったのか」という観点の捜査も今後しっかり行ってほしいですね。
ビッグモーター大株主2位の過去も!
そして、もう一つ驚くべき事実が発覚しました!
平成26年の情報ですが、ビックモーターの大株主2位に現在の「損保ジャパン」である「損害保険ジャパン日本興亜株式会社」の名前があります!





社長の兼重宏行さんに次いで2位…
株式会社ビッグモーターより持ち株比率が高いです。
現在は、ビッグモーターの全ての株をもっているのがビッグアセット社(兼重親子の会社)のため、損保ジャパンはビックモーターの株を保有していません。



しかしビッグモーターと損保ジャパンの関係は昔から蜜であるということは想像できていまいますね。
ビッグモーターと損保ジャパンが癒着の可能性大に!
まず2023年7月26日に大きな進展がありました!
今までビッグモーターと損保ジャパンの関係を両社とも否定していききましたが「癒着の可能性」が大になりました。
現在の「癒着問題の」最新情報をお伝えします!
出向者が不正を報告していた!
2023年7月26日に、ビッグモーターに出向していた社員が損保ジャパンに「不正を報告していた」ことが分かりました。
損害保険ジャパンはビッグモーターに出向していた社員から、「板金や塗装を担当する工場長の指示で不正が行われている可能性がある」という情報を得ていた
引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230726/k10014142431000.html
損保ジャパンは「担当業務外のため詳細を知らなかった」と説明していましたが、ウソである可能性がでてきました。



癒着の可能性がでてきましたね…
損保ジャパンの虚偽報告の疑い
同じく2023年7月26日に損保ジャパンが金融庁に対して虚偽の報告をした可能性があると分かりました。
ビッグモーター(東京都港区、和泉伸二社長)が事故車修理における保険金を不正に水増し請求していた問題で、損保ジャパンが現場で不正の指示があったことを認識していながら、「指示はなかった」と金融庁に虚偽報告していることがわかった。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/689912



金融庁に虚偽報告って…
かなりヤバい状況なのでは…!?
損保ジャパンは2022年7月の金融庁報告文書で「不正が確認できなかった」としています。


・自認がなかったため、「工場長の指示があった」と認定できなかった
・唯一のエビデンスとなりえたA氏も「指示はない」というヒアリングシートに署名している
・もう一人の通報者も「ビックモーターに関わりたくない」と協力が見込めない



以上が損保ジャパンが金融庁に宛てた報告です。
しかしながら、A氏の証言は「工場長の指示があった」と具体的に報告しています。
大手損保の幹部によると、A氏の証言自体は「工場長の指示で日常的に過剰な自動車の修理を行ったうえで、保険会社に対して過剰な修理費を請求している」という趣旨のものだったという。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/689912?page=2



報告内容と全くの真逆の内容です…
これが真実であるならば「ビックモーターと損保ジャパンの癒着の可能性」は大いにあると考えます!
さて、ではなぜビッグモーターと損保ジャパンが「癒着崩壊」に至ってしまったのかの原因を説明してきます。
ビッグモーターと損保ジャパンの癒着崩壊の理由
他の損保会社による調査結果
損保ジャパンが2023年7月に「保険金返還」を求めたのは、他の損保会社の影響が大きいようです。
東京海上などの調査によって組織的な不正請求の実態が徐々に明らかになると、損保ジャパンは慌てたように入庫誘導を再び中止している。
引用:https://toyokeizai.net/articles/-/686623?page=3



不正請求の実態が明らなれば、癒着していた場合、損保ジャパンにとっても大問題になりますよね。
そのため、方向転換をして「癒着崩壊」になった可能性があります。


ちなみに、損保ジャパンからビックモーターへの出向は2023年3月には取りやめています。(東京海上も三井住友も出向していました。)
3社とも遅くとも今年3月までには出向を取りやめたということです。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/ef97b091a46d5b46026dc22fa3fa7e3d48285ad9
もしかしたら、この時期から「癒着の崩壊」は起こっていたのかもしれません。
ビッグモーターの不正横行
もう一つの理由として、ビッグモーターの不正が横行し始めたことが考えられます。


2018年からビッグモーター社長が世代交代し、兼重宏行さんから兼重宏一さんへと変わった際に「ノルマに対するプレッシャーが厳しくなった」と元社員が話しています。
宏一さんになって、一段とノルマに対するプレッシャーが厳しくなったと聞いています。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/e9acf920e68b6ae9eb0169063c33d2834f43a2f4?page=2
ノルマが厳しくなったことで、内部も不正をしなくてはいけない状況になってしまい、不正が横行するという事態に発展したと考えられます。



隠蔽もできないほど、内情が悪化したのかもしれません
以上が、ビッグモーターと損保ジャパンの癒着崩壊の理由でした。
癒着の真偽は分かりませんが、世間で疑われているため疑いを晴らすためにも「状況説明」をしっかり行ってほしいです。