ビックモーターの社長である兼重宏行さんが、2023年7月25日に記者会見が行われました。出席者は、兼重宏行社長と和泉伸二新社長、石橋光国新副社長、陣内司管理本部部長の4人で、兼重宏一副社長の姿はありませんでした。
記者会見の中では、一連のビッグモータの不祥事について謝罪をし、兼重宏行社長と息子の兼重宏一副社長が完全に退陣することを表明しました。
今回は、2023年7月25日に行われたビッグモーターの謝罪会見や質疑応答の内容や全文について詳しくお伝えしていきます。
●この記事で分かること
・兼重宏行社長の記者会見の内容
・ビッグモーターの今後
・記者による質疑応答の内容
【動画】ビッグモーター謝罪会見の内容まとめ
【動画】ビッグモーターが謝罪会見
2023年7月25日にビッグモーターが謝罪会見を行いました。
11時から開始し約2時間の間、謝罪やこれまでの経緯説明、質疑応答が行われました。
今回、弊社の保険金不正請求に関して多くの皆様にご迷惑をおかけいたしました。
誠に申し訳ございませんでした。

ついに謝罪会見が行われましたね
謝罪会見の出席者は4人
ビッグモーター謝罪会見に出席したのは、4名です。
・兼重宏行社長
・和泉伸二専務取締役
・石橋光国取締役
・陣内司管理本部部長




以上の4名により、ビッグモーター不祥事についての謝罪や今後の対応について説明がされました。



兼重宏一副社長の姿がないのは驚きですよね…!
兼重宏行社長、宏一副社長が退陣へ
今回の不祥事を受けて2023年7月26日付けで兼重宏行社長と兼重副社長は「両名は完全に退陣する」こととなりました。


今後、一切経営に関わることはありません
兼重宏行社長は「新たな経営陣で、お客様の信頼を得る」と考え、副社長・兼重宏一と共に辞任することを決定しました。
「事態を招いてしまったこと、企業のトップに立つものとして、非常に重く受け止めている」と話しています。



兼重社長の謝罪会見での発言内容を簡単にまとめました。
●兼重宏行社長の発言内容まとめ
・多くの皆様に迷惑をかけたことに深い反省の気持ちがある
・顧客に対し、損害保険会社様と連携しながら速やかに再修理や返金も含め、対応を進めていく
・今までのすべての不祥事に対しては6月26日まで全く知らなった
・顧客の車に行った、ゴルフボールなどで傷をつけるなどの行為は刑事告訴を含む厳正な対処を行う
・しかし、全ての問題は自分の職務怠慢によるもの、経営責任を感じている。
・自分の罪があるならば、潔く受ける覚悟がある
今後のビッグモーター新体制について見ていきましょう。
【ビッグモーター新体制】社長に和泉伸二専務が就任
ビッグモーターは兼重社長と副社長が辞任することで新体制となります。
ビッグモーター社長に和泉伸二専務が就任することになりました。


副社長には石橋光国取締役が就任します。


「幹部総入れ替え」ではなく、トップの2人が辞めた形がビッグモーター新体制です。
・兼重宏行社長→辞任
・兼重宏一副社長→辞任
・和泉伸二専務取締役→ビッグモーター社長就任
・石橋光国取締役→ビッグモーター副社長就任
和泉伸二新社長は、今後について
お客様満足を最優先に風土改革を行い、風通しのいい企業にしていく
そのために現場に出向き、現場の声に耳を傾ける
と話しています。



新体制は2023年7月26日からです。
「倒産するのでは?」という話も世間では出ていましたが、新体制で「風土改革」を行っていくとビッグモーターは表明しました。
兼重宏行社長と兼重宏一副社長は今後、会社とはどのように関わっていくのでしょうか?
【全文】兼重宏行社長と兼重宏一副社長の今後
経営には一切関わらない
兼重宏行社長は、今後のビッグモーターの経営には「一切関わらない」と強く宣言しました。


しかし、ビッグモーターの株主は継続していくようです。
それに対し株主としての位置づけであれば「会社は株主の意向は無視できないのでは?」という質問があがりましたが、兼重宏行社長は
「私自身も、息子の宏一も経営に関わることは一切ありません」
「経営に影響力を与える行動はとるもりはない」
と強く断言しました。



兼重宏一副社長も一切関わらないということです。
株主としての関係がベスト
兼重宏行社長と宏一副社長は辞任後、ビッグモーターの株主としてビッグモーターと関わっていくとのことですが、具体的にどのように関わっていくのか気になるところですよね。



大株主の意見は重要だよね…


質疑応答の中で記者が兼重宏一社長の資産管理会社である「ビッグアセット」の今後と、「ビッグモーターと具体的にどう関わっていくのか」という質問をしました。
新経営陣が一生懸命業績を上げてくれれば、ビッグアセットも収益上がってきますので
そういう関係で十分いいんじゃないかなと
公開会社の株主さんと同じような位置づけでいいと考えている
経営に影響力を与えるような行動は一切ありません
新経営陣が思う存分やってもらって、お客さんに喜んでいただいて
その結果として利益が出れば株主として非常に嬉しい
そういう関係がベストじゃないかなと今は思ってる。
今後それが問題あれば、考えていきたいと思ってます。
兼重宏行社長の回答から「公開会社の株主と同じように」関わっていくことが分かります。
株主の権利として「自益権(経済的な利益を受ける)」と「共益権(経営に参加する)」があるわけですが、この場合は「自益権」のことを話していることが分かりますね。
「経営には一切関わらない」と話していることから「共益権は行使しない」ということなのでしょうか…?



急に決まったことだと話していることから、詳細については今後決まっていくと思われます!
次は、質疑応答に関しての内容をお伝えしていきます!
【ビッグモーター謝罪会見】質疑応答の内容&全文まとめ
社長はいつから不正について知っていた?


ビッグモーターの不祥事には2021年から新聞などの報道されていました。
しかしながら、「2023年6月26日まで全く知らなかった」と謝罪会見で話しました。



2023年6月26日は、ビッグモーターが特別調査委員会の報告書を受けた時です。
2023年1月の内部告発のときには分からなかったのでしょうか…?
2023年1月の内部告発にはどう対応した?
2023年1月の内部告発の際に、告発した人物は過去にも「内部の確執」を報告していたようです。


「またか、仲良くやってくれ…」と思った兼重宏行社長は、当時の部長に調査に行かせます。
その後、部長の「解決した」という報告を鵜呑みにし調査を終了させたとのことです。
「あの時しっかりやっておけばよかったな」と反省してる。
過去にその人間から何度も工場長や仲間との確執の報告がありました。
今回も「またか、仲良くやってくれ」と思い、部長にすぐ調査に行かせた。
内容確認したところ「仲良くやることになりました」という報告を受け、解決したと思った。
それ以上のことはやってなかったですね。本当に反省してます。



内部告発に対して、大きい問題と捉えていなかったということでしょうか…
なぜ謝罪会見がすぐに行われなかった?
今まで、ビッグモーターの不祥事によって問題視されていたのは「謝罪会見や経緯説明を行わない」という点でした。
その理由は、「特別委員会の報告書を開示だけで良い」という認識の甘さが原因だとしています。
その後の「説明責任を果たしてない」という世間の声のもと、謝罪会見を行おうと思ったようです。


7月18日に調査委員会の報告を開示した後、「これでは説明責任を果たしてない」という声をたくさん頂いて、これでは十分でないなと思い、この日の記者会見段取りしました。
もっと速やかに開けばよかったと、世の中を騒がせてしまったなと反省しております。
経営計画書の強い言葉の意味は?
ビッグモーター不祥事が発覚した中で、ビッグモーターの経営計画書の「生殺与奪」などの強い言葉に対して世間が驚きました。
その中でも「会社と社長の思想は受け入れないの仕事の能力はある。今、すぐ辞めてください。」という強い言葉に注目が集まりました。


この言葉に関して兼重宏行社長は「深い意味はない」として
どんなに能力があっても、会社と同じ向きをむかなければ力を発揮できない
と説明しました。その後、「今の時代にはあってなかった」とも発言しています。



意図を聞けば理解はできますが、あの1文だけでは難しいですよね…
損保との不適切な関係が不正の温床になっていた?
ビッグモーターの不祥事には損保会社との癒着関係も問題視されていました。
兼重宏行社長は、会見において「不詳の温床とは全く関係ない」と発言しました。


「自賠責保険〇件で1台紹介しますよ」というのはあったが、不正の温床とは全く関係ない
「我々も頑張って売り上げをあげてるので、それに見合う仕事を下さい」という関係です。



対等なビジネスパートナーだったという内容の発言です。
兼重宏行社長のメディア批判LINEの意図は?
ビッグモータの不祥事発覚後、兼重宏行社長の「メディア批判」ととれるLINE画像が流出し問題となりました。
これに対し、「社員を元気づけるために行った」と説明し、再度謝罪を行いました。


これは不適切だったなと…本当に強く反省しております。
とにかく、みんなを元気にしようという事で送った。
営業現場は不正にはタッチしてないから、堂々とお客様と接してくれと。
元気づけるために送った。
文章が不適切であったのは否めません。申し訳ありません。
ビッグモータは業務連絡をLINEでするとのことで、他にもLINE問題が取り上げられています。
ビッグモータ内での罵倒LINEについては知っていた?
ビッグモータの不祥事の中で、ビッグモータ社員同士の「罵倒LINE」が問題となりました。
しかしながら、兼重宏行社長は「そのようなLINEは知らなかった」と発言しました。


LINEで情報交換はやっております。
罵倒するようなLINEのやり取りは、私が入っているLINEではありません。
副社長・兼重宏一のやり方に問題があったと認識してた?
今回のビッグモーター不祥事に関して、副社長である兼重宏一さんの態度が内部告発の中で問題に上がっていました。
兼重宏行社長は、息子の兼重宏一さんの態度に関して「理詰めで話をするのが原因だったのかもしれない。しかし悪意は一切ないと思う」と話しました。


認識はなかった。
一生懸命、なんとか会社の業績を上げようと動いているのはよく分かってた。
それが行き過ぎになったのか…
結構理詰めで話をするので、それが強いプレッシャーになったのかなと感じています。
悪意をもってやるということは一切ないと思います。
除草剤に関しては認識していた?
2023年7月24日にSNSで流出した「ビッグモーター前の街路樹が枯れている」問題については、「過去に除草剤を撒いたことはある。現在はしていない。」と回答しました。


環境整備点検において、全店舗のお客様が入ってくる出入口、歩道を含む前後10mにわたって、雑草やゴミなどがあれば取り除こうという形で、毎朝全店で行っている。
その中の一環で、街路樹の中に生える雑草に対して、甘い認識で除草剤を撒いてしまって、街路樹に影響を与えてしまったことはあると思う。